『渋川先生の話を聞いたけど、その男の子、問題ばかり起こしてるそうじゃない。奈央は私の大事な娘。そんな危険なコと付き合うのは母さんは反対よ。』
何でよ‥‥?!
お母さんらしくないよ‥‥?!
あたしはすぐさま母に反論したー。
『お母さん、どうして?!お母さん、
聖人のコト知らないじゃん?!どんなコか知らないじゃん?!様子がおかしいのはあたしじゃなくてお母さんだよ!!
お母さん、前はそんな事言わなかった。あたしの事、いつも信じてくれてたじゃん。そんなにあたしの事、信じられないの?!』
この時あたしは、
何故か感情的になってしまったー。
ここ数日間、色々な事が有り過ぎて、
あたしの心は不安定だったんだー。
13歳と言う年齢の、まだまだ子供のあたしにはー
仕事で疲れて帰って来た母をいたわる気持ちこそあれど、
自分自身が心に余裕が無くなって、
いっぱいいっぱいになってしまった時ー
感情をコントロールするには、まだまだ未熟さが目立ったー。
『お母さんは、あなたが一番大切なのよー。』
母の、その言葉の続きは、あたしは聞かなくてもなんとなく察しがついたー。
そうー
母は“あの時”からいつもそうだったー。
母は悔やんでも悔やみ切れない“あの時”の事をー
あたしの“これからの人生の幸せ”を願う事でー
記憶の中から消し去りたいと望んでいたんだー。
今思えばー
母は母なりに十分苦しんだ筈なのにー
母はあたしよりも苦しんでいたに違いないー
あたしは全然、最初から母を責めたりー
恨んだりした事は無かったのにー
あたしの大好きな母がー
これからも大好きな母であってほしいとー
そう願う事はー
あたしのわがままなのでしょうかー
あたしの大好きな母がー
これからも大好きな母であってほしいからー
あたしの大好きな母にもー
あたしの大好きなヒトを分かってほしいとー
そう願う事をー
あたしのわがままだとはー
思わないでほしいのです‥‥。