外が騒がしい…雨?…やっぱり、土砂降り。
「『高校生首を刈られる!またも黒ウサギか!?』だってよ宗太、これで8人目だ」
ソファーに寝そべる少年は新聞を雑にたたむとテーブルの上においた。
「京介、何度も言ってるだろ。新聞は…こうして…こうだ!」
宗太はテーブルに置かれた新聞をきれいに四つ折りにするとまたテーブルの上に置いた。
「相変わらず几帳面だなお前は…」
…………
……………
「どうした?」
「今、ドアをたたく音が聞こえなかったか?」
京介は耳をそばだてた。だが聞こえるのは雨音だけだ。
「何も聞こえないけど…ていうかドアを開ければよくね?」
誰もが考えつく当然の行動だが宗太はなるほどと言いたげな顔でドアを開けた。
「……?」
雨音とひんやりとした空気が一気に部屋に入ってきた。
「…あのー誰ですか?」
宗太の視線の先には雨でびしょびしょに濡れた少女が立っていた。ただそれだけならいいのだが異常なくらいに恐怖している表情からはただならぬ違和感を感じた。
「宗太、寒いからさっさと閉めろよ」
京介にせかされたからというわけではないが少女をこのままほおっておくわけにもいかず仕方なく部屋に入れた。
「そういや明日学校午前で終わりだろ?暇だから学校終わったら………!!!?…え!?…誰!?」
「さっきから…せかすなって、それを今から聞こうと思ってる」
そう言って少女に名前を聞こうとしたときだった。
少女はふらふらとし始めると気を失い倒れた。