ワケがわからなかった。
ただ命の危機に瀕しているのは本能が感じとった。恐怖という感情が平常心を保とうとする自分に襲いかかってくる。脇からの汗がスゴイスゴイ助けてタスケテ…
自己紹介をしましょう。私の名前は、磯野卓三(いそのたくぞう)。今年で34歳のAB型の会社員で独身の小太りです。少しお話を…
「またお前か…」
ため息まじりの課長のセリフはもう聞き飽きた。ってミスした自分が悪いんだけど。トボトボ自分のデスクに戻り、残り仕事をして夕食を買いにコンビニへ。
毎日同じ電車。毎日同じご飯。退屈なのはわかっていたけど自分はこのままで良かったし、なにか物足りなかったけど満足できていた。
いつも通り、仕事が終わり時計を見るとすでに夜9時。横をふと見ると、公園があった。
「たまには公園でも寄ってみるかぁ」
オッサンの独り言が暗闇に消えていく。公園に行く自体何年ぶりだろうか。
ダレもいない公園に自分一人。疲れを体から飛ばすように背伸びをし、ベンチに座る。夜とはいえ、公園の雰囲気がまるで若返ったような気分になり、少し鼻で笑ってみたりする。
目の前が光る…
「ん??光る…ちょ!ヤベ!!」
ふいに意識が遠ざかり引き込まれた。