一気に血の気がひいた──
「未希…っこれは……」
竜が言った。
「知ってる。竜、メール消去しなきゃだめじゃん。何で二人抱き合ってんの…!?」
未希は震えていた。
──未希チャン……
「「……」」歌好と竜は言い返す言葉がなかった。
「……何か言ってよっ!あんた達二人してあたしを裏切ったの!?」
「未希チャン…ちが…」
歌好は言葉に詰まった。
竜のはただのやさしさにしろ、自分は竜がすきで少なからず嬉しいという気持があったからだ。
「───最っ低ー!!」
未希は走り去ってしまった。
「未希ッッ!!」
竜が叫んだ。
いやだ…こんな時に
一人にしないで
歌好の思いは届かず、竜は未希を追っていってしまった。
「う゛〜〜……ひっく…」
歌好は一人で泣き続けた。
公園は静かすぎるほど静かで歌好の泣き声だけが響いていた。