少女が恐る恐る目を開けると、そこには昨日の少年、準が片手で相手の手を止めていた。
  「邪魔をするな!」
  また手を振り上げた。
  準がいやいや戦闘体制をとろうとしたとき、
  「まて!」
  相手の後ろから二人の男性が現れた。どちらも胸にあのバッチが付けられていた。
  「なにをやっているんだ、柳。」
  「悟さん、すみません」
  後ろから
  「おい、まさかあれって」
  「初めて見た」
  こんな話が聞こえた。
  「すまない、俺が治安維持委員会代表の谷本悟だ」
  エースの代表、つまり学年最強ということになる。
  「どうして最初からいなかったのですか?」
  準は気になったのできいてみた。
  「いや、少し迷子に・・・」
  「えっ!?」
  「いや、パトロールだよ、パトロール。」
  準は聞かなかったことにした。
  「君が昨日のだな」
  「・・・」
  「こたえなくてもいいよ。でも、さっきの動きを見て俺は確信したけど。」
  準はもうしらばっくれるのは無理と判断した。
  「その通りです。」
  少しの沈黙が二人の間に流れた。不意に悟が
  「邪魔になるかもしれないからつぶしておくか。」
  と言った。