白黒の恋?

ソウキュウ  2008-02-17投稿
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次の日、俺は仕事に向かった。その最中隠れてキョンとメールをした。

「今日は調子悪いよ」
『あら、身体に気をつけてね。私はこれから練習しなきゃ』
キョンは普段は家で練習をするらしい。家にピアノがあるそうだ。お金持ちなのか?

東京はもう桜の蕾が膨らみ咲きそうなくらい暖かいらしい。北海道と東京、少しずれた季節をお互い過ごしている。
残業になって俺一人の空間になった。広い職場に一つだけ机の明かりだけがある。
少しキョンと話そうと思いTELしてみた。身体の疲れのせいか視界がボーッと
「こんばんは、練習ははかどったかい?」
『うん、今日は余り頑張らなかったから…』
俺の伝えた事がキョンに響いたらしい
『身体の具合はどう?』
心配そうに言われたので大丈夫とだけ答えた。
俺はキョンにあの事を聞こうとした。彼氏がいるかいないかという事、もしいたらTELするのは失礼かなと思っただけだった、深い意味はそこにはなかった。
「キョンは…」
『ちょっとまって!』
途中で話を止められてしまった↓タイミング悪いよ↓
『その前に聞いて』
どうやらハンズフリーにしたらしい
身体があまりいうことを効かなくなってきた。キョンが何かをしてくれるという期待と平然を保たないとという変な執念が身体を支えている。
するとピアノの音が聞こえた。優しい音色、キョンの指が白と黒の鍵盤をゆっくりと上下に押し当てているのがキョンの隣にいるかのようにわかるくらいだった。視界はさらにボーッとしてる、耳だけはその音を確かめているかのように…


次の瞬間、暗闇になり、寝てしまったと思ったら俺は病院にいた。
(ソウキュウさん大丈夫ですか?)
その声はピアノの音色ではもちろんなく、キョンの優しい声でもなく、病院の看護士の声だった。白い空間、白い鉄で出来たベッドの上で俺は
「え?」
(あなた、過労で倒れたんですよ)



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