突然、仕事をやめて住んでいたマンションも引き上げてきた私に、両親は何も聞こうとはしなかった。
アリガトウ。。そして・・ごめんなさい!
いまは、どんな風に話をすればいいかもわからないし・・色々と思い出すのも・・。
私が実家に戻って、ひと月ほどが経とうとしていた。
そんなある日の夕食のあと、私は近くのコンビニまで雑誌を買いに出掛けた。
「まだ寒いなぁ・・」と呟きながら、桜がハラハラと舞うなか、肩にかけたストールを押さえ、足早に歩いていた。
駅前のコンビニに着いたとき、ちょうど電車が着いたのか、多くの仕事帰りらしき人達が降りてきたところだった。
何気なく目にした人ごみのなかに・・見つけてしまった・・。あの顔を・・。
「俊也・・?」
確かに、アノ・・俊也だった。
コンビニの前にたたずむ私を、俊也もまた・・みつけてしまった。