宇治原紗奈もいるよッ!!!!」
そんなコト言っても,おやじと浅木クンはシカト。
「...じゃあそうゆうコトだから。浅木,よろしくな。」
「おやじあたしも...「はい。宇治原行くぞ。」
あたしの言葉を遮るように,浅木クンは話した。
同じ号車だから,周りから見たら,あたしは浅木クンの後を追うような形になっとる。
ドテ...
新幹線のスピードについてけないあたしは,バランスを崩して転けた。
あたしは浅木クンにばかにされる前に立ち上がろうと思ったが
「宇治原。お前ってほんとどんくさいな。」
浅木クンはそう言って手を差しのべた。
「へッ??!!」
あたしはビックリして,マヌケな声しか出なかった。
まさか浅木クンがこんなコトすると思わなかったからさあ...
「もぉ邪魔だから早く立てよッ!!
ほんとどんくさいなあ!!」
そう言ってあたしの腕を持って立ち上がらせた。
「あッ...ありがとう...。」
あたしは照れくさくなってきた。
「別に。
あほなガキが転んだから起こしただけ。」
相変わらず一言余計なんだよッ!!!!
「ど-せあたしは浅木クンと違ってガキですよ-だッ!!」
い-ッてやってやると
「まァガキな宇治原も好きだけどな。」
とまた意外な返事が返ってきた。
本日二度目の「へッ??!!」
「その顔傑作。」
浅木クンは笑いながら自分の席に戻った。