最近、体が変わった。
20代は、ただ男に体を与えていただけ。その見返りに、私はその間、男の体と心を独占できた。心がセックスしていた。
30代になり体が男を欲しがりだした。
『もっと触って、もっと舐めて、もっと噛んで、もっと強く、もっと沢山、もっと深く、もっと、もっと…』
どこまでもイキ続け、壁が、包み込みざわめきながら、男の欲と欝を、体の奥底にまで取り込もうとする。
私を、こんなにいやらしく貪欲な体にしたのは、『おやつが欲しい』と思えるほどの安定と安心な生活を与えてくれる、主食である夫人だ。