ソードメーカー1―?

いっと  2008-02-19投稿
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「これは…!」
マギウスは目を見開いて驚いた。
「お主の考えは分かっておる。この計画を遂行した後、クーデターを起こして国を乗っ取る気じゃろう」
「下らない」
マギウスはそう言って、紙切れを丸めてポケットの中に入れた。
「こんな紙切れ一枚ではそんな証拠にならないことは、エリウス様もご存じでしょう?」
「確かにの」
エリウスは苦虫を咬み潰したような顔で、うめいた。「こんな文章一つでは、クーデター計画の証拠にはならん」
「はは、エリウス様、どうかなさったんですか?憶測だけでそんなことを言うなんて。おかしいですよ」
マギウスはおかしそうに笑って、言った。
「…」
「…もう用は無いですか?でしたら、帰らせて頂きます」
そう言って、マギウスは踵を返し、そのまま廊下の向こうにある闇の中に消えた。
その後ろ姿を見つめながら、エリウスは先ほどとは打って変わって楽しげな表情になっていた。
「マギウス。お前には謀略の知識を全て教えた。そして才能もある。今回はどうやらそれに溺れたようじゃな」
エリウスはくくくと笑いながら、踵を返すと、マギウスとは反対方向に、静かに歩いて行った。



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