朝が…来てしまった。
歌好はバイトに本当に行きたくなかったが、他の人に迷惑をかけるわけにはいかなかったので行くしかなかった。
「おはようございまーす。」
バイト先に着くとまだ未希は来ていなかった。歌好は少しホッとして制服に着替え始めた時、
「おはようございます。」
未希の声がして、未希が更衣室に入ってきた。歌好は勇気を振り絞った。
「──未希チャン、おは…」
スッ──…
未希は歌好の前を通りすぎて自分のロッカーに行った。
未希ちゃん……
「…昨日はごめ…」
「今日忙しいですかねー??」歌好が謝ろうとすると、未希は他のバイト生に話しかけた。
未希チャン──ごめんなさい……
あたし…未希チャンに嫌われちゃったよね。
あたし最低だ…
歌好はどうしていいかわからず、その場に立ち尽くすしかなかった。
それからバイトが始まっても未希は歌好を見ることさえなかった。