ピピーｯ、ピ！
今三年間のバスケの終わりを告げる笛が鳴った。
結果は76-38という最後の試合と言うには悲しすぎる結果である。
みんな泣いた、号泣してるやつもいれば涙を堪えようと必死になっているやつもいた。
……しかしそれ以上に泣いていた人がいた。 先生である。先生はただでさえゴツイ顔をくしゃくしゃにしながらみんなを集めて言った。 『今日負けてしまったのはおまえらのせいじゃない、全て私の力が足りなかったせいだ、お前達は最高のプレイをした。』
その言葉にみんなはより強く泣き出した。
こうして僕らの三年間の青春はあっけなく終わってしまった………。
その後は試合会場で現地解散した。誰ひとりとして言葉を発するやつはいなく、一人、また一人とそれぞれの家に帰っていった。
私は家に着くと母の言葉を無視して自分の部屋に逃げ込んだ。
暗い部屋に入った僕は明かりをつけるのもしないで、鞄を床に投げ、ベットの上に力無く倒れた、
『全部、終わったんだ………、』
呟いたところで結果が変わる訳でもないのに。
『チクショウ！！』
不意に込み上げるやり場の無い感情が僕をいらつかせた。
『……悔しい。』
一回戦で負けてしまったこと、みんなとバスケがもう出来ないこと、………しかし、それ以上に悔しかったのは、この最後の試合をベンチで見ることしか出来なかったことである。
『俺がもっとバスケットがうまけりゃ。』
みんなの負担を軽くすることが出来たかもしれない。もっとみんなとバスケットが出来たかもしれない。
そんな思いに駆られながらふと机の上の写真に目をやった。
最後に先輩達と一緒に撮った写真、先輩達が引退する時に撮った写真である。
あの時に先輩達に誓った言葉が心の中で何度もこだました。
『先輩達の無念を自分達が絶対に晴らして見せます』
………しかし、結局先輩達の無念は晴らすことは出来なかった。
『チクショウ！！チクショウ！！』
僕は声を荒げてベットを叩いた。
少し暴れた後はもう無気力になり、ただ天井を見上げるだけだった。
『………もう一度チャンスが欲しい！！』
僕はそんなことを思いながら眠りに着いた。
[516] 
[0] 
[0]
