のちに夫となる人と、初めてセックスをした後
『玄人向きのセックスだね』
と、私は言った。
玄人って？と聞かれればよくわからない。当時の私のイメージではアダルトビデオなどにいる、うずうずと腰を振りながら欲しがり喜ぶ熟女！？だった。
セックスは前戯なんてそっちのけで、とにかく挿れたい挿れていたい。どんなに長い時間でも挿れていられる。マニュアルなんて何もなく、欲のままに強く乱暴だった。
私はそれなりに経験もありイクということも知っていた。それでも私の壁は傷つき血を流すこともあった。
自分から体を与えながらも理解できない痛さと怖さに『どうして？』と泣いたこともあった。
私の体は無理やり変えられようとしていた。
結婚して夫と妻となり、体を重ねれば重ねるほど、次々に扉が現れた。
コンピュータゲームのステップアップするステージのように。
新たなステージをクリアするごとに、身を震わせ戸惑い、深く沈むほどに恐ろしくなり夫にしがみついた。
夫と初めて体をあわせてから10年以上たった。
もう、私の体は男なしではいられないと思う。
自分でも熟れていると思う。
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