「ウサギさん名前なんて言うの?」
優は白くてふわふわした生き物を抱きかかえた。
「ニャー」
「ニャー?ニャーは…ネコ?ウサギはネコ?」
「ニャー」
「そっかぁネコさんなんだ。ネコは可愛いね」
優はやわらかな笑みを浮かべると子猫を優しく撫でた。
後ろから近づいてくる人影、影は優と子猫を覆うと優しく話しかけてきた。
「君も…すごく可愛いよ」
優は子猫を抱いたまま振り返った。
「あ、焼き肉屋のバイト君だ」
男はニヤリと笑うと優に手を差し伸べた。
「あそこにね。いっぱいネコがいたよ。僕といっしょに行こう」
優は満面の笑みを浮かべると男の手をとった。