喫茶10

湯島 朗  2006-04-22投稿
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私の習慣。リストカット。どうして、こんな事してしまうんだろう。ああ、そっか。私をいじめた奴らのせいだ。そうよ・・・。けど・・・どうしたらいいの?親も私を見捨てて、私の居場所無くなっちゃったじゃん。だれか、居場所をちょうだい。


「あっ・・・。」
 見ると、頭上に白い天井。薬品のにおい。忙しい足音。そんな音たちを私、千野 羽音(せんの はおと)は聞いた。
「羽音(はおと)。また、リストカットで倒れたのよ。」
「リスト・・・カット。」
 思い出した。私は、習慣になっているリストカットを続けていて親にバレない様にしていたのに、今日、見られてしまった。母親は絶叫しその声にびっくりして・・・思いっきり切ってしまった。その後は、どうとでもなれという様に記憶がない。倒れたんだろう。倒れて、病院に運び込まれたのだろう。手首を見ると、縫った後と包帯。
「あのまま・・・死んでも良かったじゃん。」
「何言い出すの!羽音。」
「だって・・・母さんは私がいらないでしょ?」
 その言葉のせいか、母さんが泣き出した。だって、ほんとじゃん。私の事、必要としてないから仕事としてるんでしょ?私から、離れたい一心で。
「いいよ、私。家からでてく。この入院費、貯めてた(貯金)ので返すから。」
「羽音・・・。」
「さよなら。」
 そう言うと、母さんは飛び出して行った。私は、一人になった。天涯孤独の身。でも、そうでもなかったり。あの場所が・・・あるかぎり。

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