私を見つけた俊也の目は、瞬きひとつすることなく、私の瞳だけを捉えて・・ゆっくりと私に近づいてきた。
私の目の前に、俊也がいる・・。
俊也の目が、少し潤んできた・・私は、どこか客観的に見てしまう。
俊也の左目から、大きな雫が、流れ落ちた。
「探しました・・探して、探して・・この街にいるのが、わかって・・でも・・それ以上、わからなくて・・いつか・・この辺りにいれば、会えるんじゃないかって・・」
俊也は、多分・・一也にでも、私の実家を聞いたのだろう・・それで、この街だけはわかって・・こうして探して会いに来てくれたんだろう・・。
なんて顔をして・・一也に聞き出したのだろう？・・少し「哀れ」な気にもなってきてしまった・・。
「ゴメンね・・」
頬を伝う雫を、そっとすくった。
「俊也・・この後の予定は？
時間あるのかな？」
その問いかけに、俊也は、大きく頷いた。
俊也の身体を重く感じた。
色々な「思い」があるからなのか・・。
お腹の傷が少し・・疼いた・・痛い・・痛いのは・・傷？私の胸のなか？
その「重み」を全身で受け止めて・・深い、混濁した心地よさに、いまは沈んでいきたかった。
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