「くそ!あのオヤジ…!俺の腹に穴開けやがって」
人食い男は腹部の痛みに耐えながらなんとか町外れにある薄暗いトンネルまで逃げてきた。
男は息を整えようとコンクリートの壁に寄りかかる。
コツコツ
コツコツ
(足音?もう追いついたのか?)
人食い男は薄暗いトンネルの奥を凝視した。
コツコツ
…………
コツコツ
…………?
コツコツ
…………!!!
人食い男の顔が青ざめる。
「ギリギリ捕まってなかったようだな…」
人食い男はナイフを取り出した。
「な、何の用だ!俺はもう組織から抜けたはずだ!」
男は表情を変えることなく親指を立て人差し指を突き出した。まるで子供が拳銃ごっこをする時のような格好だ。
「お前が警察に捕まると厄介になる。だからバラして海に捨てる」
人食い男は何かが吹っ切れたのかナイフを構え直した。
「そういえばお前俺の能力を見るの初めてだったな」
そう言うと男は銃口を向けるかのように人差し指を男に向けた。
「バーン」
「……?」
人食い男は呆気にとられた。
銃声のマネでもしたのか男はまるで子供のように銃を撃つフリ?をした。
だが人食い男は気づいた。朝倉に撃たれた所とは逆の左横腹に激痛が走っていることに。
人食い男は吐血するとコンクリートの壁に寄りかかりずるずると倒れた。
「な、何をした…!…ぐ…!てめぇ何しやがった…!!」
男は人差し指にふっと息を吹きかけた。
「想像するんだ。この手のひらに極めて正確に銃の形を…」
男は自分の手のひらを見つめた。するとガラスに手を押し付けたときのように手のひらの皮膚が平らに…まるで何かが乗っているかのように平べったくなった。
「グロック17、ティルトリコイル式 口径9?銃身長114.3?重量703.25g全長186.82?有効射程50m使用弾薬9?パラベラム弾……」
男は長々と説明を始める。
「ぐ…ぐふ…!」
人食い男は説明が終わる前にまた吐血してしまった。
「まぁとにかく正確に想像しなければダメだ。そんな事できるのは俺ぐらいだろうけど」
そう言うと男はまた人差し指を人食い男に向けた。
「バーン」