白黒の恋?

ソウキュウ  2008-02-21投稿
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二人が出会った上野。隣には携帯という電波で繋がっていた二人が対面している。あまり顔を見れない恥ずかしさがあった。

『結構背が高いんだね。』
「そうかな?そう言ってくれると嬉しいよ。キョンだってキレイ…。」
『ん?なになに?』
キョンだって…その先は小声で言ったからキョンは聞こえなかった。恥ずかしかったので逆によかった。
俺達は上野公園に出た。駅から道路を横切ると緑が沢山ある公園だった。ビルが多い東京にもこんな癒しの空間があるのかと思った。公園はとても広く、噴水もある。春風がほんのり温かくて俺は少し歩こうと言い、端から端まで二人で歩いた。桜の蕾が膨れ、今にも咲きそうだ。俺は立ち止まりこの景色をボーッと見てるとキョンがくすくす笑った。「どうしたの?」
『だってこんなにのんびり屋だとは思っていなかったから』
「仕事はそうじゃないけど普段はこんな感じ。それに北海道はまだ冬だから早い春が来てる感じがして…」
『そうかぁ、ソウキュウは春が好きなんだぁ』
やわらかさが二人の中にあった。俺にとっては癒しの空間。
俺達は歩き疲れてベンチに座った。
「この前はごめんな」
『え?』
「倒れただろ?俺。心配かけてごめんって」
『そうだよ〜↓ホントに心配したんだから。』
キョンは少し涙目になった。22と27という年の差、キョンは年上だから強い、と思っていた俺が間違っていた。
「泣いてるの?」
『泣いてないもん。もぅ見ないでよぅ↓』
正直、抱きしめたいくらいだった。でも友達だからかわいいとしか思えず、行動に移せない残念な俺↓

俺はこの子に恋をしてるのだろうか?

話しているうちにいつの間にかお互いの顔が見れるようになっていた。お互い気持ちがとてもリラックスしている。
「あの時弾いてくれたピアノの音色、凄いよかったよ。俺はピアノとかよくわからないんだけど癒されたよ。ありがとう」
『よかった。あの曲はお気に入りの曲なの』「そうなんだ!その…」
『癒し過ぎちゃったね(笑)。話は変わるけど』
また途中で話を止められてしまった↓↓
『ご両親の方には倒れた事言ったの?』

俺は言おうか迷ってしまった。沈黙がつづく。
『どうしたの?』
「実は俺、親を知らないんだ」
『え?』
東京はビルが太陽を少し隠し始めて赤く染めようとしていた。



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