心の声…2

シンゴ  2008-02-21投稿
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『じゃあ、いってきます。鍵しめときなよ』(とでも言っておくか)
『行ってらっしゃ〜い』
おれは毎日、同じバスに乗る。たいてい乗り合わす人間も同じだ。
(また、あいつらがいるよ…)
あいつらとは同じ学校の一年生の女達だ。こいつらがまた、うっとおしい。ただ、同じバスに乗るクールな先輩ってだけでメアドを渡してきやがった。彼女はいないがこんな奴らとは付き合えない。まぁ好みじゃないだけか…断り方が気に入らなかったらしい。ブツブツと聞こえるように文句を言ってきやがる。学年が違うからつい、適当にあしらったおれもおれだが…。バスに乗る15分我慢すればいいだけの話だ…
『今日もすました顔してるよ〜ムカつくよね〜』
『それがカッコイイと思ってるんじゃないの〜』
(おまえら、この間も同じ事言ってたぞ。他に言う事はないんかね〜くだらねぇ。ガツンと言ってやるか?何て言う?……何言っても火に油を注ぐだけか…世の中こんなもんだよなぁ〜結局、うまくつるんでる弱い奴らがでかい組織作って成功した気でいるんだ。得るものなんてせいぜい金だろ…それで充分な世の中か。
『あんたたちさぁ〜話すのはいいけど声がでかいよ。それに話の内容も…こっちが気分悪くなるんだけど〜』
と見知らぬ男が言った。おれと同じ制服だ。先輩か…後輩か…このバスで初めて見る〜しかし、良く言うな…やり返されるぞ〜…
『なにアンタ。関係ないじゃん。』
(ほら、来た)
『偉そうに注意しないでくれる〜』
(他人事ではないがおもしろい。…おれってやっぱ性格最悪だな。)
『かわいくね〜なぁ〜。黙ってりゃかわいい……でもないな。自分がモテないからひがんでるとしか聞こえないよ。恥ずかしくないの?』
(おい、泣くぞ…間違いなく。ほら〜顔真っ赤じゃん。隣のオッサン笑いすぎ)
『ひどい……』
(ねっ、どうすんだこいつ……)
『運転手さ〜ん、おりま〜す。』
(そりゃないぜ〜。後先考えないから…でも、おもろかったなぁ〜)
おれは訳の分からない男の事を思い出しては笑いしながら学校に向かった。

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