「私達、友達に戻らない?」
彼女はいきなり切り出した。
バレンタインデーでチョコをもらって、浮かれてる俺には、一瞬で頭が白くなった。
俺と彼女は、なかなか会えず、最近すれ違いが多かった。
俺は結婚を前提に付き合おうと、伝える決心し久しぶりに会った日だった。
でも、彼女は別れを選んでいた。
お互い全く反対の決心を胸に・・・。
彼女は初めて愛した人だった。
今まで、人に恋したことはあった。恋をして付き合ったことはあった。
でも、愛したのは初めてだった。
恋と愛は似ていて違った。
恋しただけなら友達に戻れた。
でも、愛してしまった。
俺は泣いて考え直すように頼んだ、しかし、彼女の心に俺は残っていなかった。
格好悪いのは分かってた、でも諦められなかった。
俺にとっては、これからだったから。
だから、友達には戻れなかった。
愛はやがて憎しみに変わることを知っていたから。
彼女を友達として、近くで支えたかった。
でも、ダメなんだ彼女を好きな自分と、憎しみを持ってしまった自分がいる。
憎しみを持った自分が彼女を傷付けようとする。
だから、友達ではいられなかった。
そんな醜い自分を見られたく無かった。
会いたい。
でも、ダメなんだ。君のためなんだ。
君を怒らせて自分から遠ざけたけど、俺に出来た、彼女を守る唯一の方法だったから。
もう、今までのように戻れないだろう。
もし、もう一度君に会えたなら、笑顔で会えると良いなぁ。
ありがとう、そして、さようなら。
今、君を思う。