ドキドキしながら席につき担当の人が来るのを待っていました。
こっちに向かって背の高い細身の男の人が歩いて来て私の前でたちどまった。私は心の中で「この人か!」と思いながら椅子から立ち上がり、おじぎをして挨拶をしました。人見知りがあるらしく無表情で一礼して席についた彼、第一印象は恐そうな人だと感じました。
歳は二十代後半くらい、顔はイケメンではないけどまぁまぁの顔立ち、ひとめボレ癖がある私は真っ先にチェックを入れて評価をしていました。
愛想笑いすらせず無表情であっさりと今後の予定を立て「じゃぁ明後日乗りましょうか」と言って5分もたたないうちに私の前から立ち去っていきました。
・・・まぁこんなもんか
そう思いながらも全く嫌いなタイプではなかったし若い男の教官だったので今後の教習を楽しみにしていました。これが私の「片思いの失恋」という結末が待つ恋のはじまりでした。
その日の夜ケータイで教習所について調べていると「教習所マジック」という言葉に目がとまりました。
それは、人が不安でドキドキしているときに、頼れる異性がいるとそのドキドキが恋している時のドキドキであると勘違いしてしまう状態、教習所だと車の運転が恐くてドキドキしているのに教官がいろいろ教えてくれて頼れるので恋してしまったと勘違いする事らしいのです。
そんな人がいるんだぁ
と思いましたがその時はまさか自分がそのマジックにかかってしまうとは夢にも思ってもいませんでした。。。