『えっ?!そうなの聖人?!このコが聖人の彼女なの?!』
さっきあたしに話し掛けた取り巻きの“お姉サマ”が言ったー。
その“お姉サマ”に、あたしはペコリとお辞儀をしたー。
『可愛いじゃん!!名前は?!』
この場で名前まで聞かれるとは思わなかったー。
『奈央です。
木下 奈央。』
緊張気味に答えたあたしはー
ちょっと感じ悪かったかもー。
変なトコで神経質なあたしー。
『へぇ〜。聖人良かったじゃん。
こんな可愛い彼女が出来てさ!!』
そう言ってー
フワフワの茶色の巻き髪を触りながら、彼女は、こう付け加えたー。
『あたしは、
山下 ミズホ。
あんたより2コ上だけど、聖人の彼女とあっちゃあ、挨拶しとかないとネ!!』
そう言って彼女は笑ったー。
笑うと八重歯が覗く、とてもキュートなヒトだー。
『俺も挨拶しとくわ。
俺は、高橋 サトル。
聖人とは小学校ん時からの親友。
知ってるとは思うけど、コイツは心臓が弱いもんだから、
学校休みがちになって、途中からは2コ違いになっちゃったけどね。』
サトル君は笑いながら、聖人の方をチラリと見たー。
『サトル!!お前、しゃべり過ぎっ!!』
聖人も笑ったー。
聖人を中心に周りに居た2コ上の先輩達はー
外見とは裏腹にー
みんなー
とても良い人達だったー。
緊張して、初めのいっぽがなかなか踏み出せずー
入って行けなかったのがウソみたいだったー。