世の中なんてチェスと似たようなもの…
勝か負けるかだけ…
私は負けない…。
『うっわぁ〜!!きもぉ〜!!近寄んなよっ?』
『マジ邪魔〜!!消えてほしいんだけど…』
『デブス!!死んじゃえば〜??きもいし〜…』
私は机の前で、いつものように罵声を浴びている。
もう、慣れてしまった。
何を言われても傷つかない…。
私は両親を早くに亡くし、今は祖父、祖母の所で育てられている。
私には友達なんて居ない。欲しいとも思わない。
私には必要がないの。
ある日の日曜日…
私は庭にある倉を見せてもらった。
中は薄暗くて、蜘蛛の巣があちこちに絡み付いていた…。
倉には昔からの貴重な物がたくさんあり、宝の山のようだった。
私は祖父に好きな物を選べと言われ、奥にあった薄汚いチェスを選んだ。
なぜか不思議な力を感じたチェス…
何かが始まる予感がした…
そう、これが始まりだった…