「「…………」」
二人で、一つのベッドに横になり、眠りにつく。
いつからか、そんなやりとりも当たり前になっていて。
俺も、いつかのときめきを忘れかけてた。思いだそうと…していなかったかもしれない…
冷めた愛。
それが、ここにある。
俺たちは、愛なんてものをもう二度と歌えない。
無機質なベッドの感触が、やけに悔しかった。
別れの気配が、漂っていた……
「……………」
彼女が、起き上がり、ベッドから出た。
俺は、少し戸惑いながらも、寝たふりをしていた。
「ごめんね」
愛のない言葉が、心を砕いた。
切なさは、不思議と無かった。
「バイバイ」
ガチャン……
静かになった部屋に、悲しみがあふれた。彼女のずるい別れ方が、やけに嫌で…
だけど、追いかけられずに、寝たふりをしている自分が、まだここにいた。
「………さよなら」
最後につぶやいた言葉は、やはり別れの言葉で。
気配を察知していたからだろうか。
涙も後悔もなかった。
残ったのは空虚間だけ。
さよなら。
部屋の無期質感に消えた言葉。
最後にもう一度だけ言おうか。
さよなら…
愛した人……