Mind Adventure 2

籬 規那  2008-02-24投稿
閲覧数[646] 良い投票[0] 悪い投票[0]


私が彼――
ディル=トリン=ギセアと出会った時、彼の村は襲われかけていた。


小さな島の辺境にある、小さな村。私達がその時見つけたのは、数人の男女と大量の火薬だった。


確かに、治安が荒れ、小民族の激突が絶えないこの時世、武器の一つや二つ、少しもふ不思議ではない。


だけれどここは、魔法世界、”ピスティア”なのだ。


化学資源はどれも高価で、まして火薬や劇薬などの高い技術力を必要とするものは、簡単に手に入らない。





これは言い伝えなので確証は無いが――



かつて、星が壊れかけた事があったという。そこに住む人々は自分達の利益に目が眩み、そこにあった資源を奪い合い、湯水の如くに使い、豊かな暮らしをしていたという。


資源があるところには、必ず争いが起こり、世界は戦乱に包まれた。


資源が無くなってもなお、彼等の暴挙は止まらず、今度は自然に存在する、物質でなく、力場やさ思念に目をつけた――

つまり、”魔法”。


その末裔が私達だというのだ。



あくまで古臭い昔話ではあるが、現にこの世界には資源というものが無い。





しかも彼等の戦闘技術は並外れたものだった。


とは言っても、今の公的機関にそんな弱小村に関わっている余裕はない。


傭兵を雇うなり、魔法技術により何らかの防衛策をとるなり、自分達でなんとかするしかない。これは、そのための旅だ。


少なくとも、ディルにとっては。




少し前までは、人々は幾つかの大国が統治し纏められていたが、それも崩れつつある。


そこには、”魔物”という物の存在があった――――






「―――!」


風の動きを感じ、即座に跳びすさる。

――轟。

一瞬先までいた地面に、深々と刺さった嘴。



―――彼等は生きる兵器なのだ。

それが、”魔物”と呼ばれる所以。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 籬 規那 」さんの小説

もっと見る

アドベンチャーの新着小説

もっと見る

[PR]
人気雑誌多数掲載
脂肪溶解クリーム


▲ページトップ