天使のまち

 2008-02-24投稿
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☆だ天使★
「レナン、あなたは今日から人間界で暮らしなさい。」
「はい?」
突然の言葉に、レナンはキョトンとしている。
「あなたは人間のことを知らなさ過ぎる。」
「人間のこと…?」
レナンは、女神を見上げた。
「そうです。そして人間の本当の優しい心を見つけた時、あなたは帰ることができます。さぁ、行きなさい。」
レナンが何か言葉を言う隙もなく、レナンは人間界に落とされた。
残った女神の傍に、一人の天使がちょこんと座った。
「いいのですか?女神様、ご自身の娘であるレナン様を。」
女神は静かに目をとじた。
「女神とは…人間を見守る者。天使とは人間を幸せにする者です。」
天使はレナンが落ちていった場所ただ一点を見つめている。
「人間の優しさを知るということは、人間の悲しみを知るということ。女神は全てを受け入れなければなりません。」
だから…と女神は続けた。
「いずれ女神になるレナンには、そのための試練のようなものです。きっと帰ってきますよ。」
女神は、そっと祈っていた。
地上に行った天使は 、一年以内に優しさを見つけなければ、消えてしまうということを知っていながら。
〜人間界〜
「香織ちゃん、見て!雪だよ!」
「わぁ、ホワイトクリスマスだ!」
今年はクリスマスに雪が降った。
毎年十二月に雪が降ることがなくて、
愛川舞奈(あいかわまいな)と、親友の
望田香織(もちだかおり)は感動していた。
「雪だ雪だぁ!」
中学二年で外に飛び出すほど喜ぶのは、舞奈だけではないだろうか?
「待ってよ舞奈!」
のんびりしている香織は、少し遅れて後を追った。
「雪だ〜!積もってるー!いつから降ってたんだろーね?」
舞奈が横を向くと、香織はどこかを見つめていた。
「どうしたの?香織ちゃん。」
「舞奈、あれ…。舞奈の家の前に、ひ、人が倒れてる!」
驚いて行ってみると、女の子だ。
肩まである金髪を右上だけ結んでいる。格好は、真っ白なワンピースに白いサンダル。かなり寒そうだ。年は、舞奈達と同じくらい。
だけど、天使みたいにかわいい。
雪の上に倒れているのが、絵画を見ているようだ。
「と、とりあえず家に行こう!香織ちゃん、あたし運ぶからドア開けて?」
「分かった!」
いったい、この子誰なんだろう?舞奈は、少女は雪のように感じた。



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