(秋の夕暮れ…ひぐらしが鳴く公園で俺はひとりの少女と出会った…)
「はあー…」
病院の屋上のフェンスにもたれて歩はため息をついた
「俺…完璧嫌われてるよ…」
「…瞳ちゃん…」
(えっ…うっ)
(少女は公園のベンチに座り泣いていた)
(どうした?)
(俺は泣いている少女に声をかけた)
(お父さんが…ひっく…死んじゃって…ずっ…お母さんが…元気なくて…)
(お前名前は?)
(佐伯…瞳)
(瞳ちゃん…こんなとこで泣いてたら、お母さん心配して、余計元気なくなっちゃうよ。だから、お家帰ろ?)
(…)
(そうだ!瞳ちゃんにいいもの見せてあげるよ!!)
(俺は少女を連れて公園の奥にある森に向かっていった)
(辺りはもう暗く、夜空には綺麗な月が浮かんでいた)
(着いた!瞳ちゃん上見てごらん)
(わっ…綺麗…)
(森の奥に原っぱがあり、そこから見える星空はとても輝いていた)
(元気…出せよ)
(…うん、ありがとうお兄ちゃん)
(少女が笑った)
(俺も笑った)