さぁ俺はあの非日常的な経験をした後、どうなっただろうか。
会社へ行って、謝罪して、母親や同級生の安否を有給休暇を使い、確認しに行った。
久しぶりの潮風。
カモメが鳴いてる。
もぉ、着く頃だ。
ふと目を落とした缶珈琲はまだ半分のこっていた。
…と、小説の一部分を抜粋して一人で笑う。
母親が一人で立っていた。
家に帰ると、小学校の友達がいるだけ来ていた。
同窓会らしい。
食べるだけ食べて、喋るだけ喋る。
宴もたけなわ。
皆元気だった。
今は手紙を書いている。
いつかの俺が読むであろう手紙。
タイムマシーンが完成してからの話。
今横には妻がいる。
スヤスヤ眠ってる。
幸福な結婚だった。
あの時妻が助けてくれなかったら俺はいなくなっていただろう。
優しく髪を撫でてやる。
「ありがとうな」
クスッと笑う紗耶。
飛行機は昔の彼の自宅へと向かっている。
あの島の同窓会が行われたあの日へと。