同日午後3時35分
俺の家
「ねぇ、受験も終わった事だし私の家来ない？」
「あぁ、別に良いよ」
彼女の家には、一回しか行った事は無い。その時は確か勉強しただけだった。
「泊まりは？」
「え？泊まるって？何処に」
「だから、私の家」
「！！！！！！！」
（泊まるって、何、え、そういう事？え、そういう事なのか？）
俺の頭は煩悩でいっぱいになった。
（いや待て、親は、親がいるだろ、とにかく変な事考えてる事知られたらまずいな、平常心だ、落ちつけ。）
「え？でも親良いって言ってるの？」
「その日、お母さん友達と旅行で帰って来ないんだって」
「お父さんは？」
「お父さんいない」
（そうだった、フズキの家は母子家庭だった。）
「ゴメン、」
「いいよ、別に気にしてないから謝らなくても。」
「ていうことは、誰もいないの？その日」
「うん」
「！！！！！！！！！」
（どうしましょ、いいよな別に、そういう事になったら別にあれだし、ならなければこれでいいし・・・・・・・何言ってんだろ俺）
「あぁ、わかったじゃあ今度お邪魔するね」
（言っちまった。）
「じゃあ、私そろそろ帰るね。後でメールする」
「わかった、じゃあまた後で。」
俺には、彼女とは逆で父親しかいない、いわゆる父子家庭だ。その父親も今は単身赴任で家にいない。彼がいたならまた話し変わっていただろう。
（彼女も同じ事考えているのだろうか、もしそうだとしたら・・・・）
結局、彼女の家に行くのは、3月23日になった。
俺は覚悟を決めた。
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