3月23日午後1時10分
俺の家
ついにやって来たこの日。彼女の家に泊まる日が!
昨日は全然寝られなかったが、そんなことは、関係無い。
泊まるのに必要な物は揃えたし、風呂にも入った。
家に鍵を掛け、俺は自転車に跨がった。
季節はもう春、暖かくて、風が心地よかった。
昨日あまり寝てないせいなのか、運転しているのにボーッとしてきた。
見慣れたいつもの道が歪んで視界に入って来る。
ブオォォァオン!ゴギュルルバアァァン。カラカラカラカラ・・・
(・・・・・・・・・)
「ん?何がおきたんだ」
気がつくと俺は地面に倒れていた。自転車はぐちゃぐちゃ、バッグは10?くらい飛ばされていた。
(事故ったっぽいな、俺。でも痛く無いな。傷もないし、助かったみたいだな。)
立ち上がって俺を撥ねたトラックを見た。
運転手らしき人が顔を真っ青にしてこっちを見ている。
(運転手大丈夫かな)
と、思っていたらトラックが急発進して逃げて行った、俺の自転車を引きずって。
「おぃ!俺の自転車!待てよ!」
「・・・・・・・・・」
「いっちまったよ・・」
(まあ、怪我もしてないし
あの自転車も捨てるつもりだったし、なにより信号無視したの学校に知られたら面倒だな。)
俺は、警察には何も言わず、吹っ飛んだバッグを取りに行った。
(しかし、よく俺無事だったな。奇跡だな!これはフズキに自慢しよ)
バッグを手に取り、とりあえずフズキの家へ向かった。
(・・・・・・・・・)
(なんかみんなさっきから俺のバッグを気にしてないか?)