「ほんとにこんなとこまで付き合わせてゴメン。」
アタシは帰ろうとBEAMSのバックを持って立ち上がった藍治に謝った。
「イエイエとんでもない。」
藍治は静かに微笑んだ。前から思っていたけど静かに微笑んだ時の藍治の顔はきれい。
「駅まで送るから。」
アタシはそのつもりでケータイだけ制服のスカートのポケットに入れた。
「何言ってる!!!アナタ病人でしょーが!!!」
「これ位しなきゃ気の毒だもん。」
「そー…オレのチョッピー電柱に貼り付けたしねぇ…。でもお母様のスパゲティが絶品だったから許してやる。そいうわけでお世話になりました。」
藍治は深々と礼をした。
「こちらこそ。」
アタシも深々と礼をした。
「じゃあちゃんと寝ろよ。」
玄関のドアを開けながら言った。表まで出ようとしたらそう言われたので玄関から外に出れなかった。
「はーい。ほんと今日はありがとう。たぶん明日はちゃんと学校行けるから。」
「ん。じゃあー…バイチャ☆」
藍治はそう言って片目をつぶりジャニーズ気取りで帰って行った。