気は進まなかったが、りなはかいとに次の日の夜電話をした。
『突然電話しちゃってごめんなさい。さえちゃんから番号聴いて…』
『おー。りなから電話が来ると思わなかった。どした?』
電話のかいとは意外に優しくてゆうすけが好きだという相談に親身になってくれた。
『わかった!俺もゆうすけと恋愛の話はしないからわからないけど好きなやつがいるかとか聴いてみるよ。わかりしだい連絡するよ』
1時間くらいの電話は会話を探すこともなく、かいとは案外話やすいことがわかり、少し距離が縮まった気がした。それから2、3日に1回は、かいとと連絡をとるようになった。バイト先で会ってもかいとは「今日も頑張ってるじゃん!」など声をかけてくれるようになった。
連絡をとり始めて5回目の電話でかいとから衝撃な相談をされた。
『さえってさ、俺のこと好きなのかな?この前来週映画に行かないかって、デートに誘われてさ。前から何度も色々誘われててさ。ずっと断ってて。さえのこと友達としか思えないから、期待させたら悪いじゃん?』
『え…どうなんだろうね…。さえには色々話を聴いてもらうけどさえの恋愛についてあんまり聴かないからわからないな。』