息をつく間もなく、すぐに二度目の襲撃が襲って来た。羽毛とはとても呼べないような、硬質の翼が無慈悲に振るわれる。
だが。
それに割って入ったものがあった。
「£¢〆†∫,'仝戍禦≡〆掫々ヾ∃"§∽∂∴¢∝∪!」
高めの澄んだ声が途切れると同時に、妖需のすぐ前に突如光が発生する。
光はその瞬間に四散して空を走り、複雑な円陣を描く。
…――ィィン!
一拍遅れて、金属がぶつかり合うような音が辺りに響いた。
見ると、足元には無数の細長い針のようなものが転がっている。
かなり勘弁してほしい。こんな物に体当たりされたら、とても「痛い」程度では済まなかった。
続いて、黒い影が頭の横を掠め飛んで行った。ジンの使い魔だ。ゲルともゾルとも言える、独特の形状をした体を利用して、怪鳥から機動力を搦め捕る。
メシアは、治療、援護専門の後衛型。
ジンは、その一族の性質ゆえの、万能型。
私は―――\r
「はっ!!」
気合いの掛け声と共に、手に持った武器を放る。
弓矢を短くしたような形状をした”風矢”は、妖需の固有武器。指向性に富み、比較的小さく、戦闘でも改造でも比較的扱いやすい。
つまり私は、素早い動きの、陽動、補助型。
2本の”風矢”は、粘り気から必死に逃げようとする怪鳥の翼を固定した。
―――ざっ
その前に、歩を進めたデイル。
そして一言。
「今日は鳥肉か。」
食い気ですか。