シロチャンの独り言

青山 時子  2008-02-26投稿
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 1月、私は寒かった。
お腹も空いてた。白い息が降り積もった雪に吸い込まれる朝。あてもなく山道をあるいてたら、後ろから車がついてきた。
怖くて逃げたけど、それでもついてくる。
とうとう、走れなくて座り込んだら車から女が「まぁ、こんなに痩せて!この子つれてってよい?」と車中に話したらワンという声。ワタシと同じ言葉を話す子がいるとわかったら安心して気を失ったみたい。
 気がついたら毛布に包まってた。「おっ!気が付いたね。お腹すいたろ?お食べ」という声が頭のうえから聞こえたと同時に、目の前にいい匂いのするものが出てきた。何がなんだかわからず食べたいけど喉を通らなかったの。 次は身体を撫で回されたの。
「おとなしい子だね、怪我はしてない。手足もしっかりしてるし」という声。そしたら急に悲鳴。「ダニ!首の周り全部。こんなんはじめて!黒真珠みたい。」最後は、ため息。ワタシは首から尾っぽの先までブチブチ黒いモノをむしりとられて、次はシャワー。何だか体は軽くなったけど、心は少し暖かくなったみたい。ワタシはこの声の主を信じてよいのかしら?
周りを見渡すとワタシと同じ姿の子が2人いたの。
向こうも様子みてるみたい。どうもワタシここにいても良いみたい。 ご飯も少しずつたべれるようになっわ。「お前の名前、何にしようかね。白いからシロチャンだね」と、いうことで名前もついたわ。これがワタシがこの家に来たいきさつです。これからいろいろあったのですが、それは今後、機会があったらお話ししますね。

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