宙に浮く首 2

 2008-02-26投稿
閲覧数[571] 良い投票[0] 悪い投票[0]

家に着くまで車の中で僕はずっとさっきの首はどっかに出ないかとか、そもそも幻覚が見えたんじゃ無いのかと思ったりしていたが、どう考えても五秒間位はでていたし、何より風に揺られて首の辺りまで延びていた髪がハッキリ見えたのだ。

いやいやアレは絶対幻覚何かじゃあない、改めて確信した僕は、さっきから「どうした?」と聞いてくるお父さんに向かって冷静を装い「後で話すから!!」と言った。

何故かと言うと、お父さんに今その事を話したら、さっきの首が又見えたりしたら怖いと恐怖していたからだ。

家に着き車から旅行用の荷物やお土産などの荷物類をおろして、一段落ついたところでお父さんがさっき車の中で何があったのかを改めて僕の部屋に来て聞いてきた。

僕はさっき自分が見たものを全てお父さんに話した。
するとお父さんは「何やそりゃ!?気のせい気のせい。」と言って僕の部屋から出て行った。

アレだけ俺が驚いた顔を見たのに、「気のせい気のせい」だとぉ!?

一気にお父さんに腹をたてた僕は、不機嫌そうにベッドに寝っ転がった。

しばらくして眠気に襲われ始めた僕は、ウトウトして視界が霞んできた。

すると僕の部屋のドアが「ドンドン」と二回なった。
ビクッとその音に「ふわぁ〜い」と寝惚けた声で答えた。

けど誰もドアを開けようとしない。

ハッ!!と今日の車の事を思い出した。

もしかしてあの首が僕の家にやって来たんじゃないかと思った。

けどまだ誰も入って来ない。

自分からは開けれないと思っていたが、勇気を振り絞って布団を体に巻き付けながらドアに向かって行った。

開けようか悩んだが、ここまで来たら開けるんだ!!と一気にドアを開けた。

ビクッと体の毛が逆だった感じだった。

ドアを開けても誰もいない、廊下を見回したが誰もいなかった。

安心した僕は又ベッドに戻って寝る事にした。

だがこの時は自分にあんなに恐ろしい出来事が起こるなんて、知るよしもなかった。

ー続くー



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 玲 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ