美しく着飾る
華やかな街が暮れゆく
ライトに照らされた
眩いケースの中に
まるで当然の様に
金剛石は輝く
それを目にする時
ある人は遠さに溜め息をつき
ある人は自分に相応しいと手にとる
ある人は女を手に入れる為眺める
ある人は永遠の愛を誓い求める
その石はどこから来ただろうか
ずっと遠い西の果て
美しく貧しい国から来る
その日の糧に体を売る女
その日の糧に命を奪う男
恐ろしい富の為闇を這う異国人
いつからかその石は特別に削られて
富の象徴として取り扱われた
いつからかこの石の為争いが起こり
この石の為沢山の血が流れた
その何倍の汗が
この石の為流れただろう
この国にいつまでも貧困は残り
欲と支配への怒りが残った
眩いショーケースに並ぶ金剛石
私はそれを見ると
何故か悲しくなる
美しい輝きに
それを掘る褐色の人々の
涙の輝きを見てしまうから