『あっ!そうだ!美紀の好きだった充君覚えてる?ほら〜神谷 充!』
神谷 充…
充君の事は、もう忘れていた…。
忘れたかった…。
『…ぁあ〜充君ねぇ〜…!覚えてるよ〜』
私は苦笑いしかできなかった。
『美紀と充君って、お似合いだったし〜、私、二人は結婚したんだと思ってた〜でも…違うみたいね?』
優梨にズバっと言われて、忘れたい過去が嫌でも蘇ってきた…。
私もあの頃はそう思っていた…
でも、現実は違ったの。
ただ…夢を見ていただけに過ぎなかった…。
『あっ、それでね?充君がタイムカプセル開けるって聞いて戻ってくるらしいわよ?』
充君が戻ってくる?
そんな訳ない…
私は故郷に帰ってきたのを少し後悔した。
『あっ!!来た来た〜!!!!!ほら、美紀っ!充君だよ!!相変わらずのイケ面よねぇ〜!!かっこいい〜…』
神谷 充…
綺麗なスーツを着こなして今では代表取締役…
私の事なんて忘れてるでしょ?
私はその場に居るのが嫌になり、体育館を飛び出した…