果てに…

downpour  2008-02-28投稿
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「どうも…明人君はまだ…?」
「あぁ寺井さん、やはり今日も無理でした。…そりゃ母親が殺されるところを目撃しちゃったんだから…やはり迫田ですかね?」
「…行方がわからないとなるとなぁ…そりゃ…」
電話が切れると寺井雅夫は目の前が真っ暗になった。今回の事件の容疑者、迫田準一の次の行動は先程の電話で伝えられ、それが最悪の事態であることは十分わかっていた。
「くそ…由美子、電話に出てくれ…頼む…」
寺井の額からは脂汗が滴り落ちていた、寺井は車をとばしながら、電話をかけつづけた。
家に着くまでの間、雅夫は、一時の迷いを今になってただただ後悔していた。
「…迫田か?今家の前だ、あぁ一人だ…何も持ってない。…わかった今入る…」
冷たいドアノブに手をかけ、ドアを開けた、玄関を少し進むといきなり目の前にハンカチが現れた。そして寺井はすぐに気を失った。
「ふぅ……それで明人、病院のお姉さんに言ったらどうなったんだ?」
「うん。寺井のおじちゃんが刺したって言ったら慌てて出ていったよ。そしたら刑事さんが入って来て。」
「でも明人君は偉いわねぇ言われた事守って、それとも悪い子かしら?私なんか必要なかったかもね準一さん」
「おいおい由美子、ほとんどお前の計画だろ。俺が寺井に監禁されてるだとか、それに明人は本当に大変な思いをしたんだ、これで正解だよ、まさか友美が虐待していたなんて…まぁ犯人寺井雅夫は自殺。これで終わったんだよ、さてじゃあ風呂入ってくる」
由美子は確信していた、虐待は準一によるものである。明人は幾分緊張が解れた様子であり、準一と一緒のときは明らかに怯えていた。このままでは明人はまた苦しみの日々を過ごすことになる。
由美子は静かに立ち上がり受話器を手にした。
数日後…
「W不倫ですか…これはまた…であなたは今回の犯罪に協力しろと脅された」
「不倫といっても私は脅されたんです。そうだ明人はお前の子だ、ただし、ただでは会わせない。って。
それで今回は、友美に気付かれた、バラされたら困る協力してくれ犯人は君の旦那にしよう。て言われたんです」
「そうですか…迫田は計画を考えたのは由美子だとか言ってますよ、何処までも汚い男だ」
「えぇ…本当に酷い」
こうして男二人は地獄へと落とされた。

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