カーテンの隙間から今日も日の光が差し込む。「開けてくれ!」と言ってるような光…。
最近は素直に開けれるかな…。でも時々意地悪したくなる。何だか周りばかりが幸せそうだから。
たった一年…ただそれだけ。でも人生ってすぐに変わるもの。最高だったころがだんだん忘れていってしまう。忘れないようにだんだん努力しないと、日々の時間の流れにながされてしまいそう。
つまんなくて、寂しくて、好奇心で掛けた携帯サイト。流行りの事件みたいには…と用心しながら登録した[お友達サイト]。沢山の返信登録で少し後悔した頃その声を聞いた…。ちょっと低くて、小さくて、短いメッセージ。何だか気になる声。久しぶりにキュンと…鏡の中の自分を見た。
やばい顔……。
冬が始まる頃声と顔がつながった。日が沈んだ夜を迎える街の中で、ちょっと怖い無口な人が、黒いロングコートを羽織って立っていた。
聞き慣れた声はなく、二人黙って歩く。「やっぱりやばい…?」
ふと入ったカフェでその人はコートを脱ぎながら言った。「ごめん、はじめまして」
聞き慣れた声。電話から聞こえていた懐かしい声。心のなかに暖かい空気がすーっと通り過ぎた。
始まりはそんなよくある事だった…。