俺が奴に自己紹介を促してから今に至る。すでに30分は費やされているこの惨状。
「自己紹介?他人に名を聞く時はまず自分からだ!この馬鹿め!」
馬鹿って言われた。何この仕打ち。
さっきあれだけ名字連呼しといて今さら自己紹介もないんじゃないかと思ったが、逆らうと絶対無事ではすまない。体裁とか。
「えっと、名前は山「鈴木だ。よろしく。」
お前が言うのかよ。
「あんたも充分平凡な名字だと思うが。」
「なんだと貴様。全世界の鈴木さんに謝れぇぇえ!!ジャンピング土下座で。」
「鈴木さん日本にしかいねぇーよ!!ってか俺の時よりハイレベルに!?」
なんかどうでもよくなってきた。帰っていいですか。
「まぁこれでも飲んでおちつけ」
「あぁこれはどうも、ってこれ商品じゃねーか!!店員に無銭飲食すすめんなぁ!!」ばしゃー。
思わず手が出た。床に広がる褐色の液体。赤蝮って。逆に落ち着けない。
「きっ貴様何を!身を呈してお前を落ち着かせようとしていたジェイソンの気持ちを踏みにじる気か!?」
「え、なに蝮!?知り合いかよ!!いらねーよそんな気遣い!!」
ほんとに身を呈してた。露呈する真実。ってかコンビニに赤蝮ってあったんだ。