3月23日午後2時15分
柊宅玄関前
確かに彼女は俺の体を通り抜けたように見えた。
(きのせいだよな、有り得ないし・・・・)
ドゥドゥ ドゥドゥ
携帯がなった、取り出してみると彼女だった。
「今何処にいるの?」
(本当にあいつ俺に気がついてないのか?)
ガチャン
扉が開いた。
と、思ったら凄い勢いで彼女は走って行った。
(なんだ?今度は。)
とりあえず俺も彼女の後を追った。
3月23日午後3時5分
大東病院
(病院・・・・・・か)
俺も薄々分かっていたがやはり、信じられない
「死んでたなんて・・・・・。」
だが自分のめのまえに、白い布が掛かっている自分が居ては信じない訳にもいかない。
彼女は、フズキはというと、俺と同じように立ち尽くしていた。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グスッ)
暫くしてフズキが泣き始めた。
俺はというと、自分が死んだ事に泣いてくれて、うれしかった。
(そうか、そんなに俺の事を・・・・・。)
その状況をちょっと楽しんだ後、自分の遺体を安置してある部屋から出てみた。
向かい側の安置室から泣き声がする、
「お母さん!お母さん!」
(お母さんが死んじゃったみたいだな、可哀相に、俺も死んだんだけど)
すると、部屋から何かが擦り抜けてきた。
(・・・・・!!)
(この人はもしかして向かいの部屋のお母さんなんじゃ?)
よく見ると頭にワッカ的な何かがある。
(ていう事は俺にも・・・・)
(あった・・・。)
(気がつかなかった)
回りにもワッカのついた人がいっぱいいた。
(さすが病院・・・。)
そういえば、さっきの人壁擦り抜けてたよな・・・。)
(・・・・・・。)
「出来たな・・・・。」
再び部屋に戻った。フズキは相変わらず泣いていた。
「あのぉ・・・すみません、リュウセイジさんですか?」
(・・・・・・・・・・なんだこいつは?)