「とにかく煩い…」これが率直な僕の感想だ。
しかたなく話を聞いていたが、段々ヒートアップして愚痴を喚き散らしているという現状…
何でも愚痴の原因は仕事？彼氏？まぁ…なんとも様々な方向へ行ったり来たりするせいで話はごちゃごちゃである。
聞いていて整理するのに疲れるほど話が飛びまくっていた。
僕は途中から整理するのが面倒になり相槌だけうっていたが、それ気付いたのか「あんた聞いてないでしょ」と説教をされてしまった。
そしてあげくの果てには、酔い潰れて寝だしてしまった。
「さて、まぁこれでお役御免帰るかぁ…」と思い、席を立つと店の中には誰もいなくなっていた。
慌てて時計を見ると朝の３時を過ぎたところだった。急いで帰ろうとしたが「お客さん、この人なんとかしてよぉ」と店長に言われてしまった…。
仕方なく店の外まで連れ出したが全く起きる気配はない…
「はぁ…」
「世の中にはとんだ人がいるんだなぁ」と呆れてしまった。
いや哀れんでしまったのだ。
「しょうがない…オレん家に泊めてあげますかぁ…」
いっこうに起きる気配がない彼女を僕は背負い、家まで運んだ。
家に着くと留守電にメッセージが入っていた。言うまでもない、母親だ。まぁ…内容も言うまでもないよね…（苦笑
とりあえず彼女をベットに運んだ。
不覚にもその時彼女の寝顔を見て可愛いと思ってしまった…。
そんなことを考えながら僕はソファーに横になった。
すると彼女が寝言で「勇（ﾕｳｷ） 、勇」と叫んでいるのが聞こえた。
そして、それからすぐ僕は眠りに落ちた。
朝、いつものように不快な音を鳴している目覚ましによって起こされた。
辺りを見渡したが彼女の姿はなかった…。
[241] 
[0] 
[0]
