「大体っ!その眉間の縦ジワどうにかしたら!?」
「よ妖需さんっ……喧嘩は……」
「………お前のヘソ出しもな」
「出てないし。鞄付けてるもん。ていうか、女の子のお腹ばっか見てんの?スケベ」
「…………な……み見てねぇよ!!馬鹿か!?」
「デイルさんも……」
「じゃあ、今の間はなにさ?」
「うるせーな!お前なんか男女だろーが……っ」
「汗かいてるよ?声大きいよ?」
「………くっ――」
ジンが8本目の焼鳥を手にして言う。
「大丈夫だってw二人とも80%位しか本気じゃないんだ!きっと?」
「80%というのは、ほとんどのことですぅ……」
「いや………実は………」
急に神妙な面持ちになったジンが口を開く。
「%は、方言なんだよ。」
それを聞いたメシアが、心底ほっとした顔をする。
「では、お二人は微塵も本気ではないのですね?」
「…………」
半泣きでおどおどしているメシアを、ジンが窘めている。(いや、からかってる……?)
にぱっ♪♪
輝くような笑みが眩しい。爽やか過ぎるほどに爽やかだ。ディルにも見習って欲しくなる。
………いや、勿論、その邪悪さが垣間見えない所だけだが。
つくづく正反対な二人だ。
見ていて、心が自然と和んでくる。(ここは、なだめているだけ、ということにしておこう)
―――魔法みたい
自然と顔がほころぶ。
「なにニヤニヤしてんだよ」
「別に?ただ、かわいいなぁって。別にディルみたいに、変な事考えてないよ?」
――バチッ。
ついに不可視の光線が二人の間で炸裂する。
メシア様御乱心まで、あと10秒。
ジンの笑顔が、見る間に輝きを増す。
聞いた者は居なかったが――
ジンは微かに呟いた。
「80%って言ったら………おいらの地域住民では、5分の4って意味だけどね?」
恋い焦がれていた日常。
触れた、温もりとか、
私は、きっと、この時に
初めて願った。
護りたいと。