ここは牢獄だ。他者から隔絶された、私だけの空間。
6畳程の小さな小さな汚いアパートの一室。それが私が囚われている牢獄。
逃げ出そうと思えば逃げ出せる。なんでもないただのアパートなのだから。
でも、鎖は私を捕らえて放さない。
鎖の名は
愛。
陳腐な名前。
外そうと思っても中々外せない。
仕事明け、深夜3時から少し眠り、お昼過ぎ眠りから目を覚ます。それからは牢獄で過ごす。
こうしていつも、いつ来るかもわからない彼を私は待ち続ける。
週に数回だけここへ来る彼だけが私を縛る鎖を外せるから。
そして今度は彼と言う鎖に縛られる。彼の全てと私は繋がる。彼が眠る時まで。
彼には愛する人がいる。
それは私ではない。
不倫
と言うやつだ。
よくある話。
それでも彼にどうにかして愛されたいと思うのだからつくづく私も馬鹿だと思う。
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