オレの恋道。?

SERINA  2008-03-02投稿
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「…なんで?」
笹川から返ってきたのはその一言だった。
当たり前だ。オレは笹川と友達どころか知り合いですらない。
言うなれば『知っている』というだけ。
「まあ、いいや。一緒に帰る?」
「え?」
予想外の言葉に対応出来ず、つい聞き返してしまうオレ。
「嫌なの?君、僕に会いに来たんでしょ?」
「全然嫌じゃない!帰る、帰るよ」
笹川の誘いを慌てて受ける。そんなオレを見て笹川はクスクス笑っていた。
「彰君って面白い人だね」
「……悪かったな」
その面白いは絶対に褒め言葉ではないだろう…。

2人並んで帰り道を歩く。笹川との間の距離は割と近い。肩が触れそうだ。
「彰君ってどこに住んでるの?」
「清田、近いから歩きだ。お前は?」
「僕は大曲。ちょっと遠いからバス。だからバス停まで一緒だね」
「そっか…」
バス停までは約10分。あっという間についてしまった。
笹川は着くとすぐに『バイバイ』と帰りの挨拶をする。
名残惜しい、そんな気持ちが心にある。
「…待つよ。バス来るまで」
「彰君…面白い通り越して変な人だね。僕らって友達だっけ?」
「なんとなくだ、なんとなく!」
答えにならない答えを返した。オレ本人が疑問を抱いているのに、答えられるわけがない。
「あーわかった、もういいよ」
「……」
笹川は面倒くさそうに頭をかく。
もういいって何だ?さっさと帰れって事か…?
オレは笹川に背を向け帰ろうとした…が、腕を笹川に掴まれ制止した。
「待ってよ。これから友達って事でいいよ…ね?」
「…え、あぁ…」
返事をしつつも、予期せぬ笹川の言葉を、理解しようと頭を働かせた。
「あ、バスが来た。またね、彰君」
笑顔で手を振りながらバスに乗り込んでいく。
その笑顔につられてオレも笹川に向け手を振る。
バスは行ってしまった…。
「…友達か」
改めて出来事を思い出し、友達になれた事に喜びを感じる。
笹川に言われたようにオレは変だ。
あいつに会ってから何かが変だ…。

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