マリア「はい、クレインちゃん!」
すかさずマリアがクレインを指名する。
勢いよく前に出てきて、バルーンスカートをフリフリさせながらクレインは改めて自己紹介を始めた。
クレイン「私は、クレイン・ヴァッセルです!!仕事は錬金術師をしてます!!リンゴとお酒が大好きです☆」
錬金術師クレイン。
このクレインが欠かすことのできない物語の3人目の主人公なのです。
錬金術師…と言ってもこの世界では、 金ではなく薬を魔力で作っている言わば薬剤師のこと。
そして、ここから彼らの奇妙な恋が始まるのでした。
クレインは自己紹介を続けたが、ノールは段々とクレインの話していることが頭に入らないくなってきて、クレインのキラキラ光る茶色い瞳に吸い込まれていった。
それから、しばらくして話が一息ついたところで、マリアがパンパンと手を叩いて就寝の時間を告げた。
みんなが部屋に戻る準備を始めるとクレインがノールに耳打ちをしてきた。
クレイン「狭い所だけど、私の部屋で良ければどうかな?」
その言葉に自分が妙に浮かれたのがわかって、ノールは今日何度か襲われた変な感覚の正体をようやく悟ったのだった。