* * * * * *
聖人はー
あたしと付き合い始めてからー
毎日学校に来る様になっていたー。
ガラッ―ー‐。
『おはよ―っす。』
バンッ―ー‐。
いつもの様に、聖人がペチャンコのカバンを机の上に置きー
『こらっ!!北岡!!今何時だと思ってるんだ!!』
いつもの様に担任の渋川が聖人に注意するー。
『んーっと、
8時45分でぇーす。』
聖人が笑顔で答えるー。
『馬鹿者!!何を偉そうに答えてる!!』
渋川は何時になくテンションが高かったー。
最近、渋川のヤツー
教師としての威厳を無くしかけてたからねー。
『ほーい。センセ、俺が体弱いの知ってんじゃん?!
でもほら、二学期入ってから休み減ったじゃん?!
俺はセンセの思ってるよか真面目な普通の少年なんだぜ!!』
そう言ってー
聖人は机の上に一時限目の教科書をおいたー。
『馬鹿者!!普通の真面目な生徒が、そんなペチャンコのカバンを持ち歩くか!!どうせ教科書は全て机の中に入れっぱなしにしているんだろう?!』
『ピンポーン。』
『北岡!!お前には反省と言う言葉は無いのかっ!!』
渋川ってばー
ここでそんなに頑張ったってー
あんたの株は上がらないわよー。
もう聖人を解放してよー。
こんな事を思うなんてー
近頃、あたしも随分と性格が悪くなった様な気がするー。
『とにかく北岡。
お前、今の様な生活態度は他の生徒の迷惑にもなるんだ。
十分気をつけて行動する様、心がけてくれ。』
渋川の聖人への説教シーンはー
あたしにとっても、クラスメイト達にとってもー
物凄く新鮮だったー。
だって、聖人は入学した時からー
ずっと不登校を繰り返していたからー。
渋川に説教される場面を見る事自体が、不可能だったんだー。
教師としての威厳の見せ場が出来て良かったねー
渋川センセー。