永久の恋−輪廻−壱

マヌ  2008-03-04投稿
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千賀……会いたいよ。会いたいのに、なんで君は……
葬式で泣き続ける一人の男がいた。高原大賀[タカハラ タイガ]。彼は生涯愛し続けると誓った女性を亡くした。
11月15日。砂川千賀[サガワ チカ]は22年という余りにも短い人生を終えた。
葬儀には彼女の友人、知人が多く訪れた。気さくで笑顔の絶えない彼女ならば友人が多いのも頷ける。
葬儀が終わっても大賀はその場を動かず、彼女の遺影を見つめていた。
『良い笑顔だねぇ。やっぱり千賀には笑顔が似合うわ。』 振り返ると彼女の母親がいた。『おばさん。すみません……居座っちゃって…』
『いいのよ。大切な人を亡くした気持ち、痛い程わかるわ。』おばさんは千賀をお腹に宿している時に、旦那さんを亡くしていた。
『千賀が貴方と出会えて本当に良かったわ。千賀がお嫁に行く姿、見たかったわ……ッ』ハンカチで口元を押さえ、泣くまいとするおばさんを見て、また涙が溢れる。
『…大賀君、ち、千賀の分も……幸せになって…ね…?』
『おばさん……』しっかりお辞儀をして、斎場を後にした。

空は青、雲は白。申し分ない快晴だった。
『この空のどっかにいるのかなぁ…』
からっぽだ。今の俺は、心も頭も全てがからっぽだ。
ぼーッとしながら歩いてたせいで、何かにぶつかった。尻餅をつく俺は立ち上がる気力もなくて、そのままでいるとどうやらぶつかってしまった人の方が寄って来た。
『すみません!大丈夫ですか?怪我は?あっ、手擦りむいてますね。ちょっと待って……』手をとった彼女は消毒液を出して、それをかけた。
『…ッ!!』傷口に染みて痛い。
『ごめんなさい。ちょっと我慢して。』
白いハンカチを俺の手に巻き付け、応急処置終了。
『できた♪家に帰ったらバンソコ張ってくださいね。』
『ありがと………ッ!?』
俺の前にいたのは紛れも無い、砂川千賀だったんだ。

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