つかつか歩きだす私の腕を数馬はグイッとつかんだ。「なんかあったんか?成美ちゃん。」
振り返った私は、流れてくる涙を数馬に見られてしまった。。
数馬は、少し驚いた顔をして。言葉もなく抱き寄せてきた。。
キラキラ浴びせる太陽が切なく、それにもまして、数馬の胸の中が暖かくて、
私は、そのまま数馬の胸の中にうずくまった。。。
多分数分間…。私は、声をあげる出もなく。フリーズしていた。
しばらくして、鼻を大きくすすい。まぶしい青空を仰ぎ。「サンキュー!すっきりした」と数馬に笑って見せた。。
あのステージで見せた数馬の顔が、そこに、あった。。
一瞬、私の胸を締め付ける切なげな顔。。
その瞳に奪われていた。。引き寄せられた事もきずかないまま。。。
我に帰った瞬間数馬の唇に吸い込まれていた。。
初めてのキスのあじは、少しだけ涙の味がした。。。