ロイは剣を構えて、距離を詰めてくるルイスを冷静に見つめながら、攻撃可能範囲に来るのを待った。
ルイスは丁度剣の切っ先が合わさる場所まで詰めた所で、ピタリと足を止めた。その動きにロイは一瞬、緊張を解いた。
その隙を逃さず、ルイスは猛然と突きにかかった。
「甘い!」
ロイはそう叫ぶと、半身になりながら突き出された剣に自らの剣を滑らせ、一気にルイスの懐に飛び込んだ。
「しまった!」
ルイスはそう叫んで避けようとしたが、時既に遅く、ロイの剣の切っ先が喉元に突き出されていた。
「やるじゃない。ロイ」
その戦いを見ていたミリスは、感心したように言った。
「うわあ、負けたー!」
ルイスは頭を抱えながら、天を仰いだ。
「ね、ね、次は私とやりましょ!」
リリーは興味津々といった感じで、ロイの前に立つと、剣を構えた。
下段に構えたリリーは、ロイが剣を構えると同時に、距離を一気に詰めた。
「!」
ロイはその奇襲に驚いたが、下から襲いかかってくる剣をバックステップで回避した。
「はい、はい!」
リリーは休む暇も与えず、次々と剣を繰り出した。
ロイはその攻撃を慎重に見極めながら、剣で受け止めていった。